ゲノムから紐解く乾眠の進化

Date:

Yuki Yoshida “ゲノムから紐解く乾眠の進化”

Abstract

微小動物の中には周辺環境の乾燥に伴い乾眠と呼ばれる無代謝状態に移行する生物が存在する.これは脱皮動物内だけでも複数回収斂的に獲得された形質であり,乾眠遺伝子の重複や系統特異的な因子の獲得などの要因が関わることが示唆されている.我々はクマムシ(緩歩動物門)とユスリカ(節足動物門)の二種に着目し,これらの生物でどのような乾眠遺伝子が獲得されたのか、ゲノム進化の観点からの解析を進めている.本発表では我々がこれまでに明らかにしたクマムシの乾眠に貢献する因子やユスリカのゲノム進化について紹介するとともに,まだ詳細に解析されていないワムシやセンチュウを踏まえた展望について議論する.